見た目が美しく、かっこ良いだけでなく、酒呑みに愛用されることを目的に制作された実用の酒杯
毎年、干支にちなんだ新作を作る12年プロジェクトが始動!
大倉陶園の干支の酒杯
今年で11作目となります。
古今東西、19世紀までは、
馬は最速で最強の乗り物
実際、日露戦争までは騎兵隊は
強力な軍事力でした。
多くの国の王者の乗り物として
描かれることも多いです。
数少ない神格化されるレベルの動物とも言えます。
9頭の跳ね馬
馬9いく!それも跳ね馬だから、
うまくいくレベルが違う
中央には関羽の愛馬として有名な赤兎馬
その背面にはユニコーン
これこそ強運をパワーアップする酒杯だと思います。
ぐるっと酒杯を回して飲めば、
9頭の馬の躍動を感じます。
(株)食文化 代表 萩原章史

「昇天の馬」デザインコンセプト
真っ赤に登る太陽と共に駆け上がる天馬の群れ。
その群れを率いるのは中央の赤兎馬。
(三国志に登場する稀代の名馬)
背後には一本の角を持った一角獣。
勢いがよく、物事は盛り上がり、さらに順調に進んでゆく有様を言う旭日昇天。
そこにうまくいくの掛け言葉で馬九行駆と願いを込めて描いた馬九頭。
この上ない上昇機運を現しました。
持つ喜びに飲む楽しさ、新たな思いが生まれる盃となれば幸いです。
大倉陶園デザイナー 濱島俊司

大倉陶園の創業者の大倉和親は、実用食器の主眼を四つあげています。
一、美観であること(装飾物ではない)
二、清浄なこと(汚れっぽくてはいけない)
三、使い途にあっていること(日常生活に役立てば、必ず喜ばれる)
四、堅固なこと(強くなければいけない)
この基本に照らし合わせると、私の主眼はこうなります。
一、美しくなければいけない。それも実際に使える酒杯として。
二、地はもちろん白磁、様々な飲み物を楽しめる清廉な白が良い。
三、酔っぱらいに付き合っても飽きられない、そして酔わせてくれる酒杯。
四、倒れ難い。仮に倒れたり、テーブル上で落としたくらいでは割れにくい酒杯。
自他ともに認める酒飲みの私としては、日常的に使える酒杯が欲しいのであって、儀礼的な用途の酒杯は要らないのです。
先ず、酔っぱらいは手元が危うくなります。だから、酒杯の安定感は重要です。
酒杯をテーブルに置いている時の安定感
酒杯を持っている指や手のひらとの相性というか、しっくり感
この2つの安定感と美しさを両立し、さらに、酒呑みにとって器に入る酒量にこだわります。酒杯であるから、すぐに飲み干し、何度も注がないとならない小容量の酒杯は、酒呑みの性で使いたくないです。
結局、今回の酒杯は70ccです。こぼれない感じで注いで三杯飲むと約一合です。七〜八杯で『こなから※四分の一升』です。
毎日の晩酌であれば、十杯はちょっと飲み過ぎ!そんな酒杯です。

設計して石膏で型を作り、手に持った感覚などを微調整していく地道な作業

本当の酒呑みのための理想の酒杯を求めて、試行錯誤を繰り返す
すべてが職人の
手作りです
大倉陶園は1919年、大倉孫兵衛、和親親子により創業されました。
「良きが上にも良き物をつくりて」という創業の理念は、現在に至るまで受け継がれ、私共の社是となっております。
今回ご紹介いたします酒杯も創業者の世界最高級の磁器を追及するという理念のもと制作させて頂きました。この酒杯を制作するにあたり、食文化様における理念や姿勢は私共と共通すると認識させていただいており、この作品を皆様にご紹介出来る機会を得ました事を心より感謝申し上げます。
株式会社 大倉陶園


流し込み成形

排泥後、すぐに回転させてムラを防ぐ。その後、一定時間乾燥させる。

カツラ(余分な部分)を切り落とす

縁を整え、厚さを確認

流乾燥後の成形の仕上げ。バリを取り、縁を薄く綺麗に仕上げる。

全体を滑らかに整える。

再度、縁の厚さを確認

底を滑らかに整える。